QNAP NASのVirtualization Stationの仮想マシンをESXiに移行する
前回(ThinkCentre M715q TinyにESXiを導入する)の続きです。
QNAP NASのVirtualization StationはVMwareの仮想マシンだと聞いたことがあり、すんなり移行できるかと思ったけど手間取ったので記録しておきます。
結論
結論から言いますとVirtualization StationはVMware Workstation 9.x系と古いバージョンになっているので、.ovfとしてエクスポートした仮想マシンをWorkstation Proなどを用いてアップデートしてからESXiにデプロイすることで移行できます。以下詳細です。
経緯・手順
Virtualization Stationからエクスポートしてそのままデプロイすると怒られる
Virtualization Stationには仮想マシンをエクスポートする機能があり、.ovf(Open Virtualization Format)形式が対応しています(あとQNAP独自っぽい規格もあります)。ESXiも.ovfのデプロイ(インポート)に対応しているので、そのままやってみると…
上図のように、仮想マシン内のバーチャルディスクファイルの形式が古すぎてデプロイに失敗します。
ということなので、Windows版のVMwareの仮想マシン、VMware Workstation Proを用いてファイルをアップグレードします。こちらは有償ソフトになりますが、VMwareのアカウントを作成することで30日間の試用ができるので活用させていただきました。
.ovfのアップグレード
QNAPのVirtualization Stationからエクスポートした.ovfをWindows上のVMware Workstation Proにimportします。そこで仮想マシンの詳細を見て見ると…
「ハードウェアの互換性」がWorkstation 9.xとなっています。今ダウンロードしたWorkstaion Proは15なのでなかなかに古いですね。
そして左ペインの仮想マシン一覧から対象の仮想マシンを「右クリック」->「管理」->「ハードウェア互換性の変更」をクリックします。
そして今回M715qにインストールしたESXiはver 6.7 U3だったので、それに最も近く互換性のあるバージョン「ESXi 6.7 U2 」に変換しました。また、仮想マシンのファイルを直接アップグレードするか、クローンしてからアップグレードするか選択できるのでクローンを選んでおきました。何かあったときにまたQNAPのVMからエクスポートし直すのが面倒だったので。
そして出来上がったクローンのVMを「ファイル」->「OVFへエクスポート」して、ESXiにデプロイすることで移行が完了しました。
おわりに
これまでオールインワンのNASでいろいろできて便利だな~と思っていましたが、組込みシステムならではの古いバージョンのソフトだったりで速度的にもセキュリティ的にも不安要素が目立つようになりました。
「互換性の変更」すらできなくなる前に移行できてよかったです。
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